万緑の山の胎内鍾乳洞

この作品への合評記事を投稿する。

修正はできませんが、削除・再投稿ができます。

  • みのる:鍾乳洞ツアーの句かと思う。まず眼前に万緑の山が見え、やがてその山裾の岩穴から鍾乳洞へ入ったのです。お臍のような岩穴から洞内へ入ったので「まるで山の胎内だ」と感じたのでしょう。鍾乳洞が形成されるには数千年を超える時間が必要…というガイドの説明を聞きながら大自然の営みに生命の尊厳を感じたのだと思う。やや飛躍するが普通では見えない処にも命があるのだということを実感しているようにも思える。 - 2024/02/01(木)
  • 澄子:森羅万象という言葉がまず浮かびました。明暗 光陰 生死 盛衰 騒寂……あらゆる相反するイメージすべてが17音に詠み込まれ 移り変わりまた巡ってゆく……詳しくないのですが仏教で説く無常観のようなものすら感じ鳥肌がたちました。 - 2024/02/01(木)
  • むべ:胎内と聞くと、静岡県御殿場市の溶岩洞窟「御胎内」を連想しますが、この句では溶岩ではなく石灰岩が形成する鍾乳洞なので、場所はおそらく違うでしょう。山を人体に、鍾乳洞を胎内に見立てているところがポイントで、いのちあふれる万緑の山と、暗く静謐な鍾乳洞内部は実はつながってひとつの山をなしています。自然の神秘だけでなく、人間の神秘にまで作者は思いをはせているように感じました。人体はミクロコスモスと言いますが、本当にミラクルの連続です。 - 2024/01/31(水)
  • 康子:見渡す限り木々が青々と茂っている山。その中にある鍾乳洞はまるで別世界。鍾乳洞の中は夏でも寒いくらいで空気感が違いますし、幻想的で神秘的です。「胎内」というのは母親のお腹の中、ということなのでしょうか。入り口はまるで産道のように。そうであればより神秘的に感じます。万緑と鍾乳洞の対比により、さらに青々とした木々や外の暑さが伝わってきます。 - 2024/01/31(水)
  • かえる:夏の山は濃い緑で覆われ、もしかしたら蝉も鳴いていたりして、賑々しく生命力に満ちています。が、鍾乳洞は打って変わってひんやり、しっとり。同じ山とは思えません。が、そこかしこに気の遠くなるような長い年月をかけて大きくなった真っ白な鍾乳石や蝙蝠などがみられ、作者は確かな生命の気配を感じて、静けさや暗さと相まって鍾乳洞の内部を胎内と表現されたのではないかと思いました。 - 2024/01/31(水)
  • えいいち:夏の盛りの万緑の山とその奥深くに鍾乳洞があるのでしょうか、外は暑いけど対照的に洞窟の中はとても涼しい感じがします。胎内と言う措辞が比喩なのか、鍾乳洞の名なのか・・今日もまた迷う所でしたが、どちらにしても自然の胎内の中に自分は存在し育まれているのだという事を私は感じました。山梨の富士山麓には胎内樹型鍾乳洞というのがあるようです。 - 2024/01/31(水)